
英語の副詞とは?
英語の副詞(adverb)を一言でまとめると以下のとおりです。
形容詞は
動詞・形容詞・他の副詞・文全体を修飾して、その内容を詳しく説明する品詞
です。
つまり
「どのように/どれくらい/いつ/どこで」などといった
情報を文に補足する役割ということですね。
分かりやすく日本語で考えてみましょう。
「走る」→ どんなふうに? →「速く走る」
「寒い」→ どのくらい? →「とても寒い」
「来た」→ いつ? →「昨日来た」
この赤字の部分(どんなふうに?どのくらい?いつ?)の説明をするために動詞や形容詞の前に補充するのが副詞となります。
ちなみに副詞は名詞や代名詞を修飾しません。
名詞や代名詞を修飾するものは形容詞の役割となります。
英語の副詞の文法的役割とは?
英語の副詞は文の中で以下のような文法的役割を持ちます。
① 動詞を修飾する
② 形容詞を修飾する
③ 他の副詞を修飾する
④ 文全体を修飾する(話し手の気持ちを加える)
⑤ 接続詞的な役割をする(接続副詞)
副詞の文法的役割の基本はこの5つです。
副詞は下記のように名詞・代名詞以外のものを説明するものと覚えておけばいいでしょう。
何を説明する? | 例文 | 意味 |
動詞(どのように?) |
He runs fast. | 彼は速く走る。 |
形容詞(どれくらい?) |
It's very cold. | とても寒い。 |
他の副詞(もっと詳しく) |
She sings really beautifully. | 彼女は本当に美しく歌う。 |
文全体(話し手の気持ち) |
Unfortunately, he failed. | 残念ながら、彼は失敗した。 |
ではそれぞれ詳しく解説していきますね。
副詞の文法的役割① 動詞を修飾
英語の副詞は
”動詞が「どのように・どれくらい・いつ・どこで」行われるかを説明します。”
します。
これは副詞の最も基本的な役割になります。
動詞を修飾する副詞を使った例文をみてみましょう。
She speaks fluently.
(彼女は流暢に話す)・・・”どのように?”を説明
He ran quickly.
(彼は速く走った)・・・”どれくらい?”を説明
They arrived yesterday.
(彼らは昨日到着した)・・・”いつ?”を説明
それぞれ副詞(fluently/quickly/yesterday)が
動詞の「どのように・どれくらい・いつ」
の説明の役割をしているのが分かりますね。
副詞の文法的役割② 形容詞を修飾
英語の副詞は
”形容詞が「どのくらい〇〇(形容詞)か?」を伝え程度を説明します。”
します。
この場合副詞は通常説明したい形容詞の前におかれます。
動詞を修飾する副詞を使った例文をみてみましょう。
It’s very cold today.
(今日はとても寒い)・・”寒さの程度”を説明
She is extremely kind.
(彼女は非常に親切だ)・・”親切の程度”を説明
それぞれ副詞(very/extremely)が
形容詞(cold/kind)の「どれくらい(程度)」
の説明の役割をしているのが分かりますね。
副詞の文法的役割③ 他の副詞を修飾
英語の副詞は動詞や形容詞だけでなく”他の副詞”も修飾します。
これは分かりやすくいえば副詞が他の副詞を修飾するというのは
”ある副詞の意味をさらに詳しく・強く・弱くするために、別の副詞がくっつくということ”
です。
このパターン(副詞が副詞を修飾する形)は
(程度の副詞)+(他の副詞)
が多いです。
例をあげるとこんな感じですね。
very quickly(とても速く)
quite slowly(かなりゆっくりと)
too late(遅すぎる)
それぞれquickly/slowly/lateといった副詞に(veryとても/quiteかなり/too~すぎる)といった程度の副詞がくっついています。
これにより(どれくらいの~)といった程度を表現することができます。
以下よく使う副詞+副詞のパターンをあげておきます。
very(とても)
”very(とても)+副詞”
のパターンはめちゃくちゃ使います。
これは副詞を(とても~)強調したいときによく使う表現ですね。
例えば普段よく聞く・・

Thank you very much(どうもありがとうございます)
も、very(とても~)という副詞がmuch(大いに~)という副詞を修飾していますね。
例文はこんな感じとなります。
She speaks very fluently.
(彼女はとても流暢に話します)
He works very hardly.
(彼はとても一生懸命働いています)
それぞれveryがあとの副詞を(とても~)と強調しているのが分かりますね。
程度の副詞 too / quite / rather / almost / nearly
too / quite / rather / almost / nearly といった副詞を
”程度の副詞”
といいます。
このパターンも頻出パターンですので覚えておきましょう。
それぞれの意味はこのようになります。
too(~すぎる)※否定的な意味で使用することが多い
quite(かなり・とても)
rather(やや・かなり)
almost(ほとんど~)
nearly(ほとんど~)※ややフォーマルな言い方
この副詞を使用した例文もあげておきますね。
She’s working too hard.
(彼女は働きすぎている)
He answered quite politely.
(彼はとても礼儀正しく答えた)
He spoke rather quickly.
(彼はやや早口で話した。)
He almost always arrives on time.
(彼はほとんどいつも時間通りに来る。)
He nearly always forgets his keys.
(彼はほとんどいつも鍵を忘れる。)
それぞれ前の副詞を修飾してより強調した意味合いで表現しているのが分かると思います。
④ 文全体を修飾する(話し手の気持ちを加える)
英語の副詞には
”文全体を修飾する”
という重要な使い方があります。
これは動作や内容に対する話し手の気持ちや判断を加えるために使われます。
例文をあげましょう。
Fortunately, he passed the exam.
(幸運なことに、彼は試験に合格した。)
この文の話し手のイメージは
「合格したという出来事全体が”幸運だった”と言っているニュアンス」
ですね。
つまり
”文全体を修飾する副詞”とは
”主語+動詞の内容すべてに対して、話し手が「評価・確信・意見・気持ち」などを加える副詞のこと”
です。
よく使われる”文全体を修飾する副詞”とその例文をあげておきますのでこちらもぜひ覚えておきましょう。
fortunately(幸運にも)
unfortunately(残念ながら)
honestly(正直に言うと)
clearly(明らかに)
apparently(見たところ)
certainly(確かに)
surprisingly(驚いたことに)
なお
”文全体を修飾する副詞”は通常文頭におくのが一番自然
とされています。
主語と動詞の間や文末におくのも文法上間違いではないんですがあまり一般的ではないそうです。
Fortunately, no one was hurt.
(幸い、誰もケガしなかった)
Unfortunately, the plan failed.
(残念ながら、計画は失敗した)
Honestly, I don’t like it.
(正直言って、それは好きじゃない)
Clearly, he made a mistake.
(明らかに彼はミスをした)
Apparently, she moved to Tokyo.
(見たところ彼女は東京に引っ越した)
Certainly, you have a point.
(確かに、あなたの言うことは一理ある)
Surprisingly, the baby didn’t cry.
(驚いたことに、その赤ちゃんは泣かなかった)
それぞれ”~したこと”に話し手の気持ちが加わっているのが分かると思います。
こういう表現を覚えておくと実際の英会話での表現の幅がかなり広がります。
⑤ 接続詞的な役割をする(接続副詞)
英語の副詞には接続詞のように文と文をつなぐ働き(=接続詞的用法)をするものがあります。
この用法では、副詞が文頭・文中・文末 に置かれ、
前の文の内容と次の文の内容の論理的関係(因果・対比・追加など)を示す役割
を果たします。
こういった副詞を
”接続副詞”
といいます。
代表的な接続副詞はこの4種類です。
・因果関係(理由・結果)
・対比・譲歩
・追加・列挙
・時間的関係
接続副詞は以下のようにセミコロン(;)またはピリオド(.)の後に置くのが基本です。
”文1. 接続副詞, 文2.”
”文1; 接続副詞, 文2.”
これは接続詞(and, butなど)と違って、接続副詞は単独で2つの文を結びつけることができないので句読点(セミコロン ; やコンマ ,) を正しく使う必要があるからなんですね。
接続詞と接続副詞は文法的に使い方が全く違いますので注意してください。
詳しくはこちらで解説していますのでご覧ください。
では接続副詞についてそれぞれみていきましょう。
因果関係(理由・強調)
接続副詞の中でも”因果関係”を示すものは日常会話でもとてもよく使われ論理的な説明や理由付けに欠かせません。
知っておくと会話の幅も広がりますのでぜひ覚えておきましょう。
接続副詞で因果関係を示す主なものは以下5語です。
therefore(それゆえに) (最も頻出!!)
thus(したがって、だから)
consequently(その結果として)
as a result(その結果)
hence(それゆえに)
例文は以下のとおりです。
He didn’t study for the test. Therefore, he failed.
(彼は試験の勉強をしなかった。そのため、不合格になった。)
She had the right qualifications. Thus, she got the job.
(彼女は資格を持っていた。したがって、その職を得た。)
He broke the rules. Consequently, he was punished.
(彼は規則を破った。その結果、罰を受けた。)
It rained heavily. As a result, the match was canceled.
(大雨が降った。その結果、試合は中止された。)
He is the oldest; hence, the leader.
(彼が最年長だ。ゆえにリーダーなのだ。)
例文のように
この中で”Therefore(それゆえに)"は日常英会話でも特によく出てきますのでとりあえずこれだけでも覚えておきましょう。
対比・譲歩
接続副詞は対比・譲歩を示すものとしても使用されます。
対比・譲歩って聞いたことがありますか?
形
”読者に2つの選択肢・視点を提示し違いを際立たせること”
にあります。
分かりやすく日本語で考えてみましょう。
私は辛い食べ物が好きだ。一方で、彼女は薄味を好む。
最初の文と後の文を比べてみると後の文の方が強調されている(話し手が言いたいこと)というのが分かりますか。
話し手の視点からするとこんな感じですね。

僕は辛い食べ物が好きだけど、彼女は薄味が好きなんだ!
譲歩の目的は
”相手の主張を少し認めつつ自分の立場を保ち、驚きや意外性を表すこと”
にあります。
分かりやすくいえば、
「~だけど、それでも~した」
といった言い回しですね。
これも分かりやすく日本語で考えてみましょう。
雨が降っていたけどそれにも関わらず野外フェスに行った
話し手の視点からするとこんな感じですね。

雨降ってたけどそれでも野外フェスに行ったんだよ(本来であれば行くべきではない)
対比・譲歩の違いをそれぞれまとめておきます。
対比 | 譲歩 | |
話し手の核心 |
「違い」を見せる | 「逆の結果」を見せる |
イメージ |
AとBは正反対だ | AだからBになるはずがそうならなかった |
主な接続副詞 |
however(しかし) in contrast(対照的に) on the other hand(一方で) |
nevertheless(それにもかかわらず) still(それでも) even so(それでもなお) |
以上をおさえた上で接続副詞を使った対比・譲歩の英語の例文をみてみましょう。
まずは対比から。
She is very intelligent. However, she lacks experience.
(彼女はとても頭がいい。しかしながら、経験が足りない。)
Sales increased in Europe. In contrast, they dropped in Asia.
(ヨーロッパでは売上が伸びた。対照的に、アジアでは下がった。)
He loves classical music. On the other hand, his wife prefers rock.
(彼はクラシック音楽が好きだ。一方で、妻はロックが好み。)
それぞれ対比の接続副詞を使うことで後の文章がより強調(話し手の言いたいこと)されています。
この中で”however(しかし)"は日常英会話で頻出ですのでとりあえずこれだけでも覚えておきましょう。
ちなみに余談ですが大学入試などの英語の長文問題ではこの接続副詞を利用して文章の言いたいことを読み取るテクニックがあります。
接続副詞の後は大体その文章の核心ですので、全体の意味が分からくても接続副詞の後さえ何とか精読できれば意味が理解できる場合も多いんですね。
続いて譲歩。
It was raining heavily. Nevertheless, the match continued.
(土砂降りだった。それでも試合は続けられた。)
I know he’s not perfect. Still, I love him.
(彼が完璧でないことは分かっている。それでも愛している。)
The plan is risky. Even so, we decided to try it.
(その計画はリスクがある。それでもなお、私たちは挑戦することにした。)
それぞれ(本来であればそうすべきではない)という表現をあえて使うことであとの文を強調していますね。
対比・譲歩ともそれぞれ話し手や文章の言いたいことをより強調するために使われることが多い表現です。
追加・列挙
接続副詞における追加・列挙とは
”ある情報に「さらに情報を加える」ときに使うこと”
です。
これは
「〜に加えて」「そのうえ」「また」「さらに言えば」などの意味
になります。
接続副詞で追加・列挙を示す主なものは以下7語です。
also 〜(もまた) (最も頻出)
in addition(さらに)
moreover(そのうえ)
furthermore(加えて)
besides(そのうえ・おまけに)
what's more(さらに・なんと)
similarly(同様に)
例文は以下のとおりです。
He speaks English. Also, he can speak French.
(彼は英語を話す。また、フランス語も話せる。)The hotel has a pool. In addition, it has a great restaurant.
(そのホテルにはプールがある。さらに、素晴らしいレストランもある。)
The product is affordable. Moreover, it’s eco-friendly.
(その製品は手ごろな価格だ。そのうえ、環境にもやさしい。)
He is kind. Furthermore, he is always punctual.
(彼は親切だ。加えて、いつも時間に正確だ。)
I’m too tired to go out. Besides, I have homework.
(疲れていて出かけられない。それに、宿題もある。)
The movie was boring. What's more, it was too long.
(映画は退屈だった。おまけに、長すぎた。)
She loves painting. Similarly, her brother enjoys drawing.
(彼女は絵を描くのが好きだ。同様に、弟はスケッチが好きだ。)
この中で”also(~もまた)"は日常英会話でも特によく出てきますのでとりあえずこれだけでも覚えておきましょう。
時間的関係
接続副詞における時間的関係とは、
”出来事の時間の順序や前後関係を表すこと”
です。
これは
「その後」「それから」「最初に」「やがて」などの意味
になります。
接続副詞で追加・列挙を示す主なものは以下7語です。
then(それから) (最も頻出)
next(次に)
afterward(s)(その後で)
later(後で)
eventually(やがて、最終的に)
finally(最後に)
meanwhile / in the meantime(その間に)
例文は以下のとおりです。
I finished my homework. Then, I went out with friends.
(宿題を終えた。それから、友達と出かけた。)
First, heat the oil. Next, add the vegetables.
(まず油を熱する。次に、野菜を加える。)We had dinner. Afterwards, we watched a movie.
(夕食をとった。その後で、映画を見た。)
She got sick. Later, she found out it was the flu.
(彼女は具合が悪くなった。後に、それがインフルエンザだったとわかった)
It took years, but he eventually became a doctor.
(何年もかかったが、彼は最終的に医者になった。)
Finally, I’d like to thank my family for their support.
(最後に、家族の支えに感謝を述べたい。)
He was cooking dinner. Meanwhile, she set the table.
(彼が夕食を作っていた。その間に、彼女はテーブルを準備した。)
The flight was delayed. In the meantime, we had coffee.
(飛行機が遅れた。その間に、私たちはコーヒーを飲んだ。)
この中で”then(それから)"は日常英会話でも特によく出てきますのでとりあえずこれだけでも覚えておきましょう。
英語の副詞の形とは?
英語の副詞には様々な形があります。
これを知っておくことで
”文や会話の中から意味を何となく推測すること”
ができるようになります。
副詞の形のパターンはほぼ決まっていますのでこの機会に覚えておきましょう。
英語の副詞の代表的な形は以下4つになります。
① 形容詞 + -ly
② -ly をつけない副詞
③ 不規則な副詞の形
④ 副詞としてしか使わない語(独立副詞)
英語の副詞の形① 形容詞 + -ly
”形容詞 +の末尾に-ly”をつける”
このパターンは英語の副詞において最も基本的なパターンになります。
形容詞と副詞の違いは
”形容詞は名詞や代名詞を修飾、副詞は名詞・代名詞以外を修飾”
でしたね。
これに基づいて代表的な副詞的意味にもなりえる形容詞と副詞をまとめるとこんな感じです。
形容詞 | 副詞 |
quick(素早い) | quickly(素早く) |
careful(注意深い) | carefully(注意深く) |
happy(幸せ) | happily(幸せそうに) |
slow(ゆっくり) | slowly(ゆっくりと) |
それぞれ形容詞に-lyをつけることでその形容詞は副詞になり動詞などを修飾する形となります。
英語の副詞の形② -ly をつけない副詞
”-ly”をつけない副詞”
前述したとおり通常、副詞は形容詞に-lyをつけて作りますが中には-lyをつけずにそのまま副詞として使う単語があります。
これらは
”形容詞と副詞の形が同じ”
であることが多いです。
ただ副詞として使う場合は当然名詞や代名詞は修飾せずそれ以外(動詞が多い)を修飾します。
-lyをつけない副詞は例外的なパターンで数も限られてますのでこれもここで覚えておきましょう。以下9単語はその代表例となります。
形容詞と同じ形の副詞 | 例文 |
fast(速く) |
He runs fast. (彼は速く走る) |
early(早く) |
I got up early. (私は早く起きた) |
late(遅く) |
He arrived late. (彼は遅れて到着した) |
high(高く) |
The bird flew high in the sky. (鳥は空高く飛んだ) |
low(低く) |
He spoke low. (彼は低い声で話した) |
deep(深く) |
She breathed deep. (彼女は深く息をした) |
right(ちょうど、正しく) |
You did it right. (正しくできたね) |
wrong(間違って) |
You answered it wrong. (答えを間違えた) |
straight(まっすぐに) |
Go straight ahead. (まっすぐ進んで) |
ちなみに-lyをつけることで意味が全く異なる単語もあります。
これは超頻出単語ですのでここで覚えておきましょう
形容詞と同じ形の副詞 | 例文 |
hard(一生懸命に) |
He works hard. (彼は一生懸命働く) |
hardly(ほとんど〜ない) |
He hardly works. (彼はほとんど働かない) |
hard(一生懸命に)は本来の意味で使いたいのであれば-lyをつけないのですが間違って-lyをつけてしまうと(ほとんど~しない)といった全く逆の意味になってしまいますので注意が必要です。
英語の副詞の形③ 不規則な副詞の形
これまで見てきたように、英語の副詞は通常は形容詞に -ly をつけて作られることが多いですが中には
”形が変化する”
という特殊な副詞もあります。
特に形容詞と副詞で形がまったく違う単語を
”不規則な副詞”
と呼びます。
代表的なものは”good"ですね。
”good”は形容詞として使う場合と副詞として使う場合は”well”という全く違う単語になります。
使い分けは以下のとおりです。
形容詞 | 副詞 |
good(良い) |
well(上手に・上手く) |
「どんな人?どんな物?」を説明する |
「どうやって?」という動作の様子を説明する |
She's a good dancer.
(彼女は上手なダンサー)
This is a good book.
(これは良い本)
She speaks English well.
(彼女は英語を上手に話す)
He cooks well.
(彼は料理がうまい)
goodは形容詞なのでそれぞれ直後の名詞を修飾(説明)しているのに対しwellは副詞なので動詞を説明していますね。
goodとwellはそれぞれ意味は似ていますが使い方は全く違うということがお分かりいただけたと思います。
またwellは形容詞として使われる場合もあります。wellが形容詞となる場合の意味は”健康な”ですね。
I’m not feeling well today.
(今日は体調がよくない(健康だと感じない))
Are you well now?
(もう元気になった?)
この2つは非常によく出てくる単語なのでぜひ使い分けができるようになっておきましょう。
英語の副詞の形④ 副詞としてしか使わない語(独立副詞)
副詞の中には
”もともと副詞としてしか使われない語”
もあります。
これは
「どのように」「どこで」「いつ」「どのくらい」
などといった”場所や頻度や程度や時間”といった情報を加える副詞です。
代表的なものは以下のとおりですね。
always(いつも)
never(決して〜ない)
often(しばしば)
very(とても)
quite(かなり)
soon(すぐに)
now(今)
here(ここで)
there(そこで)
英語の副詞の入る位置は?語順はどうすればいい?
ここまでこの記事を読んできて、副詞というものがどんなものかは大体分かったと思います。
しかし実際の英会話や英作文などで一番迷うのが、

英語の副詞って文のどこに入れるのが正解なの?
ということだと思います。これ僕もめちゃくちゃ悩みました。
実は英語の副詞というものは
”自由度が高くどこに置いても意味が通じる”
ことが多いんですね。
だからといって
「副詞はどこに入れてもOKなんだ」
というわけではありません。
一定のルールがあるんです。
ここでは英語の副詞をおく位置について解説します。
最後まで読めば今まで、

副詞って文末?それとも文頭? どこに入れるのが正解なんだよ・・ あー分かんねーーー
という悩みが一発で解決されます。
最初は難しいかもしれませんが一定のパターンしかありませんのでぜひ最後まで読んでみてください。
副詞の入る位置はこの5パターン
英語の副詞の入る位置は
”文の構造や副詞の意味によって自然な位置が決まることが多い”
ということです。
まず副詞を入れるポジションですが
”文頭”・”文中”・”文末”
この3つに分けられます。
これ以外は基本ありません。
そしてこの3つのうちのどこに入れるかを判断する基準は
”副詞の持つ種類”
によって判断します。
具体的には以下の5パターンになります。
頻度の副詞・・文中が基本
様態の副詞・・文末が基本(強調したいときは文頭・文中もOK)
時間の副詞・・文末が基本(強調したいときは文頭もOK)
場所の副詞・・文末が基本
程度の副詞・・形容詞・副詞の前が基本
基本はこの5パターンですのでこれだけ覚えておけば問題ないでしょう。
そしてこれを元に副詞の語順早見表を作るとこんな感じになります。
この表を丸暗記することで
”副詞の位置が分からないという悩みから一発で抜けられます”
のでこの機会に丸暗記してしまいましょう。
副詞の種類 | よくある位置 |
頻度(often, always) | be動詞の後・助動詞の後・一般動詞の前(文中) |
様態 (well, fast) | 文末、動詞直後 |
時間 (today, now) | 文頭 or 文末 |
場所 (here, there) | 文末 |
程度 (very, quite) | 形容詞・副詞の前 |
ではそれぞれ例文つきで解説していきます。
頻度の副詞(always, often, usuallyなど)の入る位置は?
頻度の副詞とは
「どのくらいの頻度で物事が行われるか」
を表す副詞です。
代表単語はこの5つとなります。
どれくらいの頻度で? | 単語 |
100% | always(いつも) |
80–90% | usually(たいてい) |
50–70% | often(よく) |
30–50% | sometimes(ときどき) |
0% | never(一度も~ない) |
それぞれどれくらいの頻度(~%)で行われるかで使い分けを行います。
頻度の副詞は日常英会話でめちゃくちゃ出てきますのでこの5つは最低覚えておきましょう。
頻度の副詞の入る位置は主に、
「助動詞・be動詞の場合は後」
「一般動詞の場合は前」
となります。
be動詞がある文 → be動詞の後に置く
He is always kind.
They are usually on time.
助動詞(can, will, mustなど)がある文 → 助動詞の後に置く
She can often speak in public.
You should never lie.
一般動詞だけの文 → 動詞の前に置く
I often go to the gym.
We usually eat dinner at 7.
He never drinks coffee.
様態の副詞(well, quickly, carefully など)の入る位置は?
様態の副詞とは
”「どのように」「どんなふうに」動作が行われたか”
を表す副詞です。
様態の副詞の入る位置は、
「文末(動詞の後)」
が基本で最も自然となります。
She speaks English well.
(彼女は英語を上手に喋る)
He ran quickly.
(彼は速く走る)
Please listen carefully.
(注意深く聞いてください)
ただこのように必要に応じて文頭や動詞の直前に置くことも可能です。
例えば動詞(~すること)をより強調したい場合によく使われるパターンです。
He carefully opened the box.
(彼は注意深くその箱を開けた。)
She quietly left the room.
(彼女は静かに部屋を出た。)
これは話し手のイメージが、
「どう開けたのか/出たのか」に焦点を当てる言い方(強調したい)言い方
となります。
Carefully, he placed the vase on the shelf.
(注意深く、彼はその花瓶を棚に置いた。)
文頭に置くのは文全体を導くスタイルで書き言葉や物語などで使われます。
時間の副詞(yesterday, today, soon, now など)の入る位置は?
時間の副詞とは
”「いつ」「どれくらいの間」という時間”
を表す副詞です。
時間の副詞の入る位置は、
「文末(動詞の後)」
が基本で最も自然となります。
I met him yesterday.
(昨日、彼に会いました。)
We’re going to Kyoto next week.
(私たちは来週、京都へ行きます。)
He’ll arrive soon.
(彼はもうすぐ到着します。)
ただこのように必要に応じて文頭に置くことも可能です。
「いつ~をするか(したか)」をより強調したい場合によく使われるパターンです。
Yesterday, I met him.
(昨日、彼に会いました。)
Tomorrow, she will leave for Paris.
(明日、彼女はパリに出発します。)
話し手が
”昨日・明日”といった(いつ~する)ことをより強調したい場合”
にこのような表現ができます。
なお文頭に時間副詞をいれる場合は
”,(カンマ)を直後に入れる”
のが一般的です。
また時間副詞は文中にくることは不自然とされていますので文中にくることは基本ありません。
場所の副詞(here, there, in the park など))の入る位置は?
場所の副詞とは
”「どこで」「どこへ」という場所や方向”
を表す副詞です。
場所の副詞の入る位置は、
「文末(動詞の後)」
が基本です。
文頭に置くことも一応可能ですが日常英会話ではこの表現はあまり使用しません。また文中におくことは基本ありません。
She is waiting outside.
彼女は外で待っています。
They live in Tokyo.
彼らは東京に住んでいます。
I found my keys under the sofa.
私は鍵をソファの下で見つけました。
ちなみに
”in Tokyo”と”under the sofa”はそれぞれ場所を表す副詞句
になります。
このように場所を表す副詞句の場合も同じように語順は文末になります。
※関連記事
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ちなみに場所の副詞(副詞句)は時間の副詞とよく併用して使われることが多いですね。
She stayed at home yesterday.
彼女は昨日 家にいました。
We met in Kyoto last spring.
私たちは昨春 京都で会いました。
この場合の語順ですが、英語では上記の例文のように
”先に場所の副詞(副詞句)をおいてその後に時間の副詞(副詞句)をおく”
というのが基本です。
シンプルにいうなら
”場所⇒時間”
ですね。
これも紛らわしいとこだと思うのでここで覚えておきましょう。
程度の副詞(very, too, quite, rather など)の入る位置は?
すでに説明しましたが程度の副詞は、形容詞や副詞、動詞などを修飾します
だから程度の副詞の入る位置は、
「修飾するもの(形容詞や副詞や動詞)の直前」
が基本です。
大きく分けて3パターンあります。
形容詞・副詞の前に程度の副詞を置くパターン(最も一般的)
She is very kind.
(彼女はとても親切です。)
He speaks quite clearly.
(彼はかなりはっきり話します。)
That’s too expensive.
(それは高すぎる。)
This movie is rather boring.
(この映画はかなり退屈だ。)
動詞の前に置く程度の副詞のパターン(just almost nearlyなど一部の単語)
I just arrived.
(私はちょうど着いたところです。)
He almost fell.
(彼はほとんど転びかけた。)
She nearly cried.
(彼女は泣きそうになった。)
”enough”のみ形容詞・副詞の後ろに置く(例外!)
He is tall enough.
(彼は十分に背が高い。)
She didn’t run fast enough.
(彼女は十分速く走らなかった。)