
英語の接続詞とは?
英語の接続詞(Conjunction)を一言でまとめると以下のとおりです。
接続詞は
語(word)・句(phrase)・節(clause)などをつなげるための言葉
です。
このように書けば難しく感じるかもしれませんが、簡単にいえば
”接続詞はその名のとおり文と文を繋ぐために必要なもの”
とう認識でOKです。
日本語でも同じですよね。
たとえば、
① リンゴとバナナが好き。
② 雨が降っていたから出かけなかった。
という文があったとします。
この場合は”と”と”から”が接続詞にあたります。
同じ文に接続詞をつけないと・・
① リンゴバナナが好き。
② 雨が降っていた出かけなかった。
意味は通じますが何となく文として不自然ですよね(笑)
これは英語でも同じことで、接続詞があると文の流れが自然になり、相手に言いたいことがちゃんと伝わるようになるんですね。
英語の接続詞の文法的役割とは?
接続詞の文法的役割は
”文と文の関係性を明確にし読み手や聞き手に意味をわかりやすく伝えるために不可欠な役割”
を持ちます。
そして文の中で以下のような様々な文法的役割を持ちます。
語と語、句と句、節と節をつなぐ
接続詞の文法的役割の基本となります。
詳しく解説していきますね。
接続詞の文法的役割 語と語、句と句、節と節をつなぐ
英語の接続詞は
”名詞+名詞 / 形容詞+形容詞 / 動詞+動詞など、同じ種類の単語同士をつなぐとき”
”句と句をつなぐとき”
”節と節をつなぐとき”
に使用します。
もっとも一般的で基本的な使い方ですね。
それぞれ使い方を例文でみていきましょう。
語と語をつなぐ
英語の接続詞で語と語を繋ぐときは、
”必ず同じ種類(品詞)のもの”
が基本です。
異なる種類のものをつなぐと不自然な文章になり意味が通じなくなっていまいます。
だからこれをまず大前提として覚えておきましょう。
語と語をつなぐ場合は
名詞+名詞
形容詞+形容詞
動詞+動詞
のパターンが多いです。
I like apples and oranges.
(私はリンゴとオレンジが好き。)
→ 名詞と名詞(apples, oranges)を and でつないでいる。
She is smart but lazy.
(彼女が頭は良いが怠け者だ。)
→ 形容詞と形容詞(smart, lazy)を but でつないでいる。
He runs and swims every morning.
(彼は毎朝走ったり泳いだりしています。)
→ 動詞と動詞(runs, swims)を and でつないでいる。
句と句をつなぐ
英語の句とは、
”主語+動詞のない語のかたまり”
のことをいいます。
つまり
”単語は複数あるけれど完全な文ではない意味のかたまり”
みたいな感じですね。
※詳しくは関連記事に書いていますのでここでは説明は省略します。
英語の句と節とは?
接続詞は似た構造の句をつなぐときにも使われます。
She went to the park in the morning and after lunch.
(彼女は午前中と昼食後に公園に行きました。)
→ 前置詞句(in the morning, after lunch)を and でつないでいる。
You can talk on the phone or by email.
(電話またはEメールでご相談いただけます。)
→ 前置詞句(on the phone, by email)を orでつないでいる。
節と節をつなぐ
英語の節とは、
”主語+動詞を含むかたまり”
のことをいいます。
句とは違って節は
”主語+動詞があるからそれだけでも文として成り立つ”
というところがポイントです。
英語では接続詞を使用して2つの節をつなぐことで、より複雑な文を作ることが可能となります。
I was tired, but I finished my homework.
(疲れていたけど宿題を終えました。)
→ 2つの文(節)を but でつないでいます。
He didn’t come because he was sick.
(彼は病気だったので来なかった。)
→ because で主節と従属節をつなぎ、原因を示しています。
If you study hard, you will pass the test.
(一生懸命勉強すれば試験に合格できるでしょう。)
→ if を使って、条件の節を主節に結びつけています
英語の接続詞の種類
英語の接続詞には大きく分けてこの3つの種類があります。
・等位接続詞(対等な要素をつなぐ)
・従位接続詞(主節と従属節をつなぐ)
・相関接続詞(ペア使用で並列を作る)
難しい呼び名でちょっとややこしく感じるかもしれませんが分かりやすく解説していきますので最後までついてきて下さいね(笑)
等位接続詞
等位接続詞は、
”同じ文法的な働きをする語・句・節を「対等な関係」でつなぐ接続詞”
です。
これらは先ほど説明した、
語+語(名詞と名詞、動詞と動詞など)
句+句(前置詞句など)
節+節(主語+動詞を含む文)
をつなぐときに使います。
しかしここで、

”対等な関係”てなんやねん
と思っているかもしれません。
ちょっと難しい要素ですのでこちらを先に解説します。
英文法における”対等な関係”とは?
英語の文法における対等な関係とは、
”文法的な立場が同じ”
ということです。
分かりやすくいえば
”つなぐ2つの要素がどちらも同じくらい大事で同じ役割を持っている”
という意味です。
例文をみてみましょう。
I like coffee and tea.
(私はコーヒーと紅茶が好き)
この文ではcoffeeもteaも同じ名詞で、どちらも
”私の好きなもの”
ですね。
だからcoffeeもteaも
”どちらも好きなものとして対等”
になります。
続いてこちらの例文をみてみましょう。
She is kind, but she is strict.
(彼女は優しいが厳しい)
どちらも”主語+動詞”の文で、”She is kind”と”she is strict”
といった節がお互いが独立した意味を持っていますよね。
これも
”文法な立場が同じですので対等”
になります。
では逆に対等じゃない場合はどういうパターンなのか?
実は英語の接続詞には
「主(メイン)」と「従(補足・説明)」の関係になるもの
もあります。(主従関係)
これが後ほど説明する
”従位接続詞”
というものになります。
次の例文をみてみましょう。
Because it was raining, I stayed home.
(雨が降っていたので家にいました)
この文は
”I stayed home”が(主)(メイン)となります。
”because〜”は(従)理由の説明ですね。
つまり話し手からすれば一番言いたいことは
「I stayed home」
ということであり
「because〜」は(主)の理由(家にいた理由)を説明しているだけ、つまり補足文なんです。
主文と補足文の関係だからこの場合は文法的には対等ではないんですね。
これまでのお話を表にまとめるとこんな感じです。
英語の文法の対等関係とは? | |
対等な関係 | AとB、どっちも同じレベル |
対等じゃない関係(主従) | Aがメインで、Bはその補足 |
よく分からない人はざっくりこんなイメージでOKだと思います。
ただ理屈はしっかりとおさえておきましょう。
よく使用する等位接続詞(FANBOYS)
等位接続詞は
”同じ文法レベルの語・句・節を対等につなぐもの”
です。
2つの要素を対等に並べるため、どちらが主・従という関係はありません。
だから
”両方が同じ重み・役割”
になります
代表的な等位接続詞はこの7つです。
・for
・and
・nor
・but
・or
・yet
・so
最低限この7つの意味と使い方は必ず覚えておきましょう。
覚え方としてはそれぞれの頭文字をとって
”FANBOYS”
と覚えるといいでしょう。
等位接続詞 | 意味 | ニュアンス |
for | ~なので | 理由 |
and | ~と/そして | 情報の追加・並列 |
nor | ~もまた~ない | 否定の追加 |
but | しかし | 対比・逆説 |
or | または/それとも | 選択 |
yet | それでも | 予想外の逆説 |
so | だから | 結果の表現 |
それぞれ詳しく解説していきますね。
【接続詞 forの使い方】
forは
”理由・原因をややフォーマルに表すとき”
に使います。
意味は「なぜなら〜だから」「というのも〜だから」
ちなみにforといえば前置詞として使用するイメージですよね。
この場合、意味は
「~のために」「~に向けて」「~の期間」
といった意味になります。こちらの方は知っている人もいるでしょう。
実は、
forを接続詞として使う場合は日常会話ではあまりなく、文章・書き言葉で使われることが多いです。
日常英会話で理由(~だから)を表現するときは基本、
”because”
を使用します。
She stayed home, for she was feeling sick.
( 彼女は体調が悪かったので、家にいました。)
I didn’t eat lunch, for I had no appetite.
(食欲がなかったので、昼ごはんを食べなかった。)
We took a break, for we had been working all morning.
(午前中ずっと働いていたので、休憩を取った。)
He couldn’t sleep, for the room was too noisy.
(部屋がうるさすぎたので、彼は眠れなかった。)
She was happy, for she passed the exam.
(試験に合格したので、彼女はうれしかった。)
forはややフォーマルに理由を説明したいときに使いますが、日常英会話では”because”で基本問題ないでしょう。
ただforにはこういう使い方もあるということを理解しておきましょう。
【接続詞 andの使い方】
andは
”同じ文法の要素を“対等に”つなぐとき”
に使います。
意味は「〜と~」「そして」
名詞や形容詞や動詞など同じ品詞をつなぐパターン
同じ品詞をつなぎます。
I like coffee and tea.(名詞+名詞)
(コーヒーと紅茶が好きです。)
She is kind and smart.(形容詞+形容詞)
(彼女は親切で頭がいい。)
He reads and writes every day.(動詞+動詞)
(彼は毎日読書と執筆をする。)
句と句をつなぐパターン
句と句をつなぐ場合はそれぞれの意味のかたまり(前置詞句など)をつなぎます。
We walked through the forest and along the river.
( 森を抜けてそして川沿いを歩いた。)
節と節をつなぐパターン
「主語+動詞」のある文(節)をつなぎます。
She cooked dinner, and I washed the dishes.
(彼女が夕食を作って、そして私は皿を洗った。)
He was tired, and he went to bed early.
(彼は疲れていた。それで早く寝た。)
この使い方(主語が2つ以上あるとき)は
”カンマ + and の形が基本”
となります。
3つ以上をつなぐパターン
I bought bread, cheese, and milk.
パンとチーズと牛乳を買った。
3つ以上の要素をつなぎたいときは
”AカンマBカンマand Cの形”
となります。
カンマをそれぞれ最初に入れて最後にandを入れる感じですね。
【接続詞 norの使い方】
norは
”否定文のあとに続けて、別の否定文をつなぐとき”
に使います。
意味は「〜もまた…ない」
ポイントはnorを使うときは
”最初の文が必ず否定文になる”
ということ。
He doesn’t like coffee, nor does she.
(彼はコーヒーが好きではない、彼女もまた好きではない。)
I can't swim, nor can my brother.
(私は泳げません、そして弟も泳げません。)
She hasn’t read the book, nor has he.
(彼女はその本を読んでいません、彼も読んでいません。)
They didn’t go to the party, nor did we.
(彼らはパーティーに行かなかったし、私たちも行かなかった。)
The boy wasn’t crying, nor was the girl.
(その男の子は泣いていなかったし、女の子もそうではなかった。)
またnorを使った場合は、その後の文が
”倒置文(助動詞+主語)”
になるというルールがあります。
つまり主語と助動詞の語順が入れ替わるんですね。
(誤)I can't swim, nor my brother can.
(正) I can't swim, nor can my brother.
倒置は英語のややこしいルールだと思って覚えるしかありません。
【接続詞 butの使い方】
butは
”対照・逆の内容を対等につなぐとき”
に使います。
意味は「しかし」「でも」「〜だけど」
butを使用するときは
”前の文と後ろの文が反対・対立する内容であること”
が特徴です。
She is kind, but strict.
(彼女は優しい、でも厳しい。)⇒「優しい」と「厳しい」は対照的な性格。形容詞+形容詞でも使える。
He tried hard, but he failed.
(彼は一生懸命頑張った、でも失敗した。)⇒頑張った(前向き)⇔ 失敗した(残念)という対比。
I like sushi, but my brother doesn’t.
( 私は寿司が好きだ、でも弟は好きじゃない。)
⇒弟と私で意見の違いを表している(対比)
The movie was long, but interesting.
( 映画は長かった、でも面白かった。)⇒「長い」ことがマイナスに聞こえるが、後ろでプラスの評価に転換。
I want to go out, but it’s raining.
外に出たい、でも雨が降っている。⇒「外に出たい希望」⇔「雨が降っている現実」の対立。
【接続詞 orの使い方】
orは
”選択肢・代案・可能性をつなぐとき”
に使います。
意味は「または」「それとも」「あるいは」
名詞+or+名詞のパターン
Do you want coffee or tea?
(コーヒーにしますか?それとも紅茶にしますか?)⇒2つの飲み物のどちらかを選ぶ。
動詞+or+動詞のパターン
You can stay here or leave now.
(ここにいてもいいし、今出てもいいよ。)⇒選択肢の提示(どちらか一方)
形容詞+or+形容詞のパターン
Is she happy or sad?
(彼女はうれしいの?それとも悲しいの?)
節+or+節(主語+動詞)
Hurry up, or you’ll miss the train.
(急ぎなさい、さもないと電車に乗り遅れるよ。)⇒この場合の「or」は「さもないと(そうでなければ)」の意味。
複数の選択肢(3つ以上)
We can go to the beach, the mountains, or the zoo.
(海か山か動物園に行けるよ。)⇒AカンマBカンマorCで3つ以上を表現(andと同じ)
orはandと文法的な使い方は似ていますが
”命令文の後にorがくると「~さもないと」という意味になる”
という点に注意してください。
【接続詞 yetの使い方】
yetは
”予想に反する結果・驚きや意外性でつなぐとき”
に使います。
意味は「しかし」「それにもかかわらず」「それなのに」
butとよく似ていますが
”butが単なる対比なのに対してyetは驚きや意外性を強調したいときに使う”
という微妙なニュアンスの違いがあります。
またyetといえば副詞としても使用します。
この場合の意味は
「もう~」「まだ~」
といった別の意味になりますので注意して下さい。
He promised to come, yet he didn’t.
(来ると言ったのに、それなのに来なかった)→ 接続詞
He hasn’t arrived yet.
(彼はまだ来ていない)→ 副詞
yetを接続詞として使用する場合の例文です。
He is small, yet very strong.
(彼は小柄だが、それでもとても強い。)「小さい」→「弱そう」なはずなのに → 「強い」という意外な展開
She studied hard, yet she failed the test.
(一生懸命勉強した。それなのにテストに落ちた。)勉強すれば受かるはず → 結果が反対 → yetでつなぐ
It’s late, yet nobody wants to go home.
(もう遅いのに、誰も帰りたがらない。)「遅い」=帰りたくなる → 逆の結果が来る
He is very rich, yet he lives simply.
(彼はとても裕福だが、質素な生活をしている。)「お金持ちなら豪華に暮らすはず」→ 逆の内容
yetはそれぞれ上記のような意外性や驚きを強調したいときに使用します。
yetの文法的な使い方の注意点は、
”主語と動詞がある文どうし(節と節)をつなぐ”
”yetの前にカンマを入れる”
という点ですね。
【接続詞 soの使い方】
soは
”原因と結果をつなぐとき”
に使います。
意味は「だから」「その結果」
また
soも副詞として使用されます。
この場合の意味は
「とても~」
といった別の意味になります。
I’m tired, so I’ll go to bed.
(疲れたから寝ます)→接続詞
I’m so tired.
(私はとても疲れている)→副詞
副詞としてsoを使用する場合は後に形容詞がきますので見分ける方法は比較的容易でしょう。
soを接続詞として使用する場合の例文です。
It was raining, so we stayed home.
(雨が降っていた、だから私たちは家にいた。)
She was hungry, so she ate a sandwich.
(彼女はお腹がすいていた、だからサンドイッチを食べた。)
He didn't study, so he failed the test.
(彼は勉強しなかった、その結果テストに落ちた。)
I like music, so I joined the band.
(音楽が好きだ、だからバンドに入った。)
We missed the bus, so we walked to school.
(バスに乗り遅れた、だから歩いて学校に行った。)
soを使用した文は
「原因の文」,(カンマ) so 「結果の文」
がくることがポイントです。
この場合意味は
「〜だから、その結果〜した」
という形になります。
従位接続詞
相関接続詞
接続詞と接続副詞の違い